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震災の返礼

宮城県長寿社会政策課がロボットを使った介護にとても高い関心を持っていたのには理由がありました。

「私たち宮城県は東日本大震災によって、予定よりも10年高齢化が前倒しになりました。全国そして全世界からいただいた復興のための支援に対し、私たちは高齢社会の課題を解決するモデルを示すことで返礼にしていこうと思ったのです。」

テレノイドの導入に関する県庁の視察はとても丁寧でした。小規模ミーティング、各地でのデモンストレーション、導入研修、取材対応…等々オブザーバーとして積極的に参加し、介護施設の抱える課題を探求しているようでした。

新規事業の立ち上げ

県の担当職員はこう言いました。

「高齢者施設にコミュニケーションロボットを導入する時は、研修が重要ですね。視察をしてよく理解できました。ロボットを納品しただけでは役に立たないですね。しかし、きちんと研修をすれば利用も定着し効果も上がりますね。あのお婆さんは、最初の頃は周囲に無関心で私が挨拶をしても反応がなかったのですが、数カ月後には彼女の方から気さくに挨拶をしてくれました。彼女の活力が戻っているのを感じました」

「県内の色々な施設で同じように高齢者がテレノイドを受け入れていましたね。感動して涙を流したお婆さん、高い高いをしてくれたお爺さんも楽しそうでした。職員も驚いていましたね!ロボットは使い方次第でもっと可能性が広がると思いましたよ」

「宮城県独自の補助事業として、コミュニケーションロボットの導入には研修費用も含めた補助の枠組みを用意することにしました」

私は本当に驚きました。厚労省がコミュニケーションロボットを介護ロボットとして認める決定をしたのが2017年11月です。宮城県は半年以上前に予算化し、8月には募集を開始していました。しかも補助額は上限100万円の1/2という手厚い内容です。名実ともに先駆的な取り組みをしていたことになります。

熱い想いが現実に

そうした宮城の取り組みを知った大阪の社会福祉法人から、問い合わせのメールが届きました。実際に施設を訪問し、デモンストレーションや入門研修を行いました。そして、石黒教授の拠点である大阪の社会福祉法人隆生福祉会様に関西初となる導入が決まりました。

大阪への展開は、宮城の返礼第1号なのです。

2017.10.2日経新聞関西版記事

くいだおれテレさん

私はテレノイドの大阪進出を祝い、ご当地キャラクター「くいだおれ太郎」の衣装を制作し、プレゼントしました。(仙台には「MUSUBIMARU」の衣装があります!)

テレノイドを通して、宮城と大阪の姉妹交流が実現する日が待ち遠しいです。