あなたにはどう見える?
「人間らしさ」を残し、「その人らしさ」は取り除く
テレノイドは大阪大学基礎工学部の石黒浩教授によって作られたアンドロイドロボットのひとつです。
もしも、「目の前の粘土を使って、具体的ではない状態の人間を作ってください」と言われたらあなたはどんな風に仕上げますか?
石黒浩教授の答えが「テレノイド」なのです。
性別を無くそう、年齢を無くそう、人種を無くそう…
そうして「ニュートラル」な形状を探求する一方で、「人間らしさ」を強く感じさせる要素を盛り込んだのです。
石黒浩教授は「人間らしさとは何か」を研究している科学者です。出来上がったテレノイドを見て
「えっ?なにこれ!うそでしょ?!信じられない」
と思ったのは、あなただけではありません。(みんなそう思います)
でも、不思議なことに、テレノイドと会話をしてみると、人間と話すより話しやすかったり、人間に感じるのと同じ種類の親しみを感じたりするのです。
しかも日本だけでなく様々な国で色々な人とすぐに打ち解けて仲良くなります。私よりもずっと友達を作るのが上手なんです。
アンドロイド研究で世界に発信
テレノイドの開発者である石黒浩教授(大阪大学基礎工学部研究科、ATR客員所長)は、ジェミノイドと呼ばれる人間の姿を詳細に再現したロボットを開発したことで有名です。
テレビでマツコ・デラックスさんや黒柳徹子さん、桂米朝師匠といった著名人そっくりのロボットを観た方も多いのではないでしょうか。石黒教授はこれらのロボットの監修も手掛けています。
「人間とは何か?という問いに向き合う科学として、ロボット研究は多くのことを示してくれる」と石黒教授は言います。
日本科学未来館では常設展示されているアンドロイドロボットや石黒教授の研究成果について知ることができます。
※日本科学未来館のサイト掲載のインタビュー動画

“表情を加えない”のはデザイン
理由は何なのでしょうか?
実は、情報が足りないと健康な人間の脳はポジティブに想像力するのだそうです。
この脳の特性を応用しています。ハグや対話をすると表情を感じるようになります。
対話をするためのロボット
「対話」を分解してみよう
基本
顔を見る (相手が見えた)
目が合う (こんにちは!)
口が動く (話しはじめた!)
声がする (何を伝えたいの?)
応用
返事をする (伝わった?)
顔の向きが変わる(伝わった!)
人間は相手と自分の関係を確認しながら対話をしますよね。対話では「考える」「感じる」「想像する」等の脳の働きが同時に発生していることに気づきましたか?対話は立体的なコミュニケーションと言えそうですね。
テレノイドの工夫いろいろ
- 年齢・性別が不明な顔立ちなので、声の違いによる違和感を感じません。
【自然に】 - 2つの支点を使い、角度を調節することで、身体のサイズが違ってもきちんと目が合うように設計されています。
【無駄なく】 - 人間の身体になじむようにカーブや立体感に工夫があるので自然な抱き心地です。
【無理なく】 - そのため、すぐに対話に集中できます。
【目的達成】 - 人が話しているので質問と答えがスムーズです。
【満足提供】
テレノイドはWifi接続でインターネットにつながります。海外からでも操作できます。
※テレノイドケアでの利用モデルではローカルネットワーク通信を使っているためインターネットのご利用は制限があります。
※「テレノイド」「Telenoid」は、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の登録商標です。株式会社テレノイドケアはATRの使用許諾を得ています。